2014年10月18日土曜日

自社パッケージを持つ企業として考えること


IT・情報サービス業の60%はソフトウェアの受託開発で、ITパッケージ(ASP/SAAS)の売上は全体の2.9%しかない。

リンク先のPDFの3ページ目を参照


日々IT企業から○○ツールとか○○クラウドというニュースが飛び交っているが、実態としてはツールで生計できてる企業はほとんどないというのが推測の範囲。

ITパッケージ(ASP/SAAS)は全体として2.9%の売上規模しかないので、ツールを販売ツールとして、受託開発で実際には重要な売上を稼いでいるというが実態であると思う。


当社も元々は受託開発で始めて今に至っている。
今日は、受託から今のビジネスに転換したことについて書いてみようと思う。




私が20代は半ばから30代前半(本当につい最近、数年前)までは、実は受託開発が収益のメイン
だった。

受託開発でクリエイティブな力を発揮することは今でこそ言えるが、ほとんどない。
最初のうちはソフトを開発してお金がもらえたのでなんとなくよかったのだが、後半になるとストレスたまりまくりの仕事だった。

内心は、これ以上受託開発をやりたくなかった。

受託開発はヒヤヒヤのビジネスでもあった。

1案件あたりの売上がドカンと入ってくるが、それが終わるとその翌月はジリ貧になる。
売上としては、下の図の左側になる。案件があるときは一見儲かったような感じに陥るのだが、それが終わるとキャッシュが枯渇するので内部留保で次の案件までしのぐ、、、みたいな経営になる。







本当は右側みたいに毎月定期収入がちょっとづつ増えていって、売上が右肩上がりになることが本望だが、受託を続けている限りでは、実際このようなグラフにはならない。(受託で右肩上がりになっている企業には失礼だが、当社はならなかった。私のやり方の問題だと思うが、、。)

ウェブ制作会社で経営が上手なところは、単発案件と定期収入をうまく組み合わせてやっているのでしょうが、、。


実際、受託開発から抜け出したくて、自社パッケージの開発に挑戦するIT企業は多い。当社も受託体質から一日も早く抜け出したくてLive Commerceというソフトを自社開発したのがエネルギーの源泉になっているのは間違いない。当時は、とにかくこのストレスの溜まる受託案件を止めたくてしょうがなかった。


LEDでノーベル賞を受賞した中村教授のように発注元に叩かれた「怒り」こそが、受託から抜け出し、自分たちでソフトを作ってそれを使ってもらう側になるという決意とそれに挑戦するエネルギーになったことは事実だ。


で、今は自社パッケージを作り使ってもらえる側になった。
案件を取ることではなく、自社パッケージを使ってもらうことに全ての経営資源をつぎ込んだ。

自社パッケージを開発して3年ぐらいは赤字でこれ以上続けるかどうか心が折れそうになった。
また受託に戻ろうか何度も考えた。自分のソフトを根本的に否定せざる得ない時期もあった。経営者として何がやりたいのか、わけが分からなくなる時期もあった。その結果社員が全員辞めた時期もあり、うつ病になりかけた。

しかし、自社パッケージは件数が増えていくにしたがって経営が目に見えるように安定してくる。ドカンといった単発案件はないももの、1件あたりの小さな売上をコツコツと積み上げる形で利用者数に比例し、売上も上がっていく。
想定していた売上グラフになった。


また受託に戻る


冒頭の話に戻るが、IT・情報産業の売上比率では自社パッケージ(ASP・SAAS)が2.9%で60%が受託開発だ。

自社パッケージの利用者の売上はやはり小さいのが現実で、自社パッケージの利用者が増えると
カスタマイズ案件として発展するので、自社パッケージの開発と平行して、個別の受託開発案件がまた増えた。うれしいことに、今までとは全く違う取り組みになっている。


やっぱり自分たちで細部にまで作りこんであるソフトなので、今までの受託開発とは取り組む姿勢が違っている。20代の頃は言われるがままに作っていたが、今は顧客の要件を自分たちがリードしている。


受託で始まり、また受託に戻ったが、やりがいとしては今最も充実しているのかもしれない。












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