2014年7月18日金曜日

起業には負のエネルギーが必要

昨日、2名の起業家に会いました。

といっても、彼らはまだ大企業に籍のある社員です。
これから2人で起業をもくろんでいるようで、そんな中で当社の商品(Live Commerce)が目に留まり、海外販売をやろう.... ということでいろいろと企画を持ちかけられて会いました。


結果は残念でした。
起業の目的が、私のポリシーと全く違っており、彼らを支援したいと思う感情が全くわきませんでした。正直なところ、この歳になると金儲けの起業には興味が沸きません。商いとして儲けの額は大事なのですが、それ以前にそのプロダクトなりサービスが人々をよりよくしているかどうかというところを先に見てしまう。

そこで今日は起業の目的について自分なりに考えていることをアウトプットしておこうと思います。


起業の目的

起業の目的は人それぞれだが、その目的が社内で自分の居場所がないから起業するとか、自分の個性が発揮できづらい職場環境だから起業して自分個人でやるとか、給与が納得できないとか、理由はいろいろあると思う。

でも、起業をするというのは、少なくとも現在の社会の中で何らかの不満やストレスに耐えられないほどフラストレーションを抱えている人たちを解決するビジネスでなければならないというのが前提にあるわけです。そうでないと、すぐに飽きてしまうし、情熱を持ち続けることはとても難しい。


例えば、アフリカなら水がビジネスになるし、紛争地域なら車やトラックの販売がビジネスになるし、日本のような高度成長した社会なら、そうしたインフラ上で機能する新しいシステムなどですよね。なぜなら、そうした商品がなければ人は不満やストレスに耐えられないほどフラストレーションを感じるわけですから。


でも、彼らは違った。現状の会社に不満があるようだ。重要な決定を50歳以上の重役が牛耳っており、自分たちは最下流の歯車として働いている自分自身に対してなんとか現状を変えたいというのが起業のエネルギーになっているようだった。自分の価値をもっと社会に対して貢献したいとか、そういうのだろうか。

しかし、ここにも実はヒントはある。自分がそう感じたなら、同じくそうした不満を感じる若者はいるはずだ。だったらそうした同じ気持ちに共感できる若者をを対象にした「現状を変えたい.... 」としたコンセプトをもった商品にすればいいのである。

彼らの精神状態と彼らの感じているエネルギーによって、それを解決するための商品が作れるわけです。これを笑う人もいるかもしれないけど、この馬鹿さ加減とかこういう小さなことでも本気になって世の中を変えたいと思う人こそが起業家に向いているはずだ。起業家は、このずば抜けたこの馬鹿さ加減、普通のことでもそれが人から呆れる位に徹底していなければならないと思う。

間違っても、LiveCommerceでネットショップをすることではない。これは単に思いつきで書いているのではなく、起業は少なくとも自分の実体験から感じたフラストレーションが起業のエネルギー源になるので、フラストレーションを感じた時がビジネスの起点だと思う。これにほとんど例外はないと思う。自分のフラストレーションとそれを解決する商品が市場に出たとき、そのメッセージを受け取った顧客は熱狂するのだから。


起業には負のエネルギーが必要

起業にはものすごいエネルギーが必要だが、そのエネルギーの源泉になるは、どちらかというとネガティブなことがベースになる。例えば、起業家自身が耐えられないほどのストレスをある仕事中に感じたとか、ある重要な決定に対して自分の意見が無視されたとか、、、

そうした自分に対する負のエネルギーが爆発したときに、それが全く今までになかったプロダクトを生み出す源泉になるはずだ。現に私はLive Commerceという商品を6年たった今も開発し続けているし、まだ今の製品に納得できていない。なぜなら日本を世界に伝えるという目的をまだこの製品を通じて十分に果たせていないから。今は特定の企業のみしか導入が進んでいない。が、これをもっと多くの企業や地方企業にも導入を進めたいと思っている。その為には単にソフトウェアを開発することだけでなく、海外にモノをうるというプロセス全体を支援できる人的体制作りも含めて商品開発だと思っている。

なので、6年たった今も全くそのエネルギーは消えていない。むしろ6年前に比べてキャッシュフローもよくなったとこで、効率的にプロダクトの開発に投資できる環境は年々整っている。

負のエネルギーはとても大事。これをなくしてよいプロダクトは作れない。
これはある意味で自分自身のコンプレックスを解決するために起業してプロダクトを作っているとも言えるかもしれない。




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